杉本博司
ニューヨークと東京を拠点に活躍するアーティストの杉本博司は、2009~2010年にかけて東京の冬の朝、夜明けとともにポラロイドカメラで新しい太陽の光を捉えました。それは、彼のスタジオに柱のように立つプリズムが朝日を分解した、色に溢れた世界です。18世紀初頭、万有引力で有名なアイザック・ニュートンは、光の分解や人との関係を考え、ドイツの詩人ゲーテも19世紀初頭に光学の研究をしました。杉本博司もまた、光に魅せられたアーティストのひとりです。《Colors of Shadow(影の光)》は、彼がポラロイド写真におさめた“東京の光”を、シルクのスカーフにプリントしたもので、毎日の東京の光を受けながら、軽やかなゆらぎを見せてくれます。